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2014/06/12 (Thu) 09:14


昨日、親知らずを2本抜いて
ずっと読んでいた本も同時に読み終わって

何かが終わったことに
小さく手が震えていました

いつ生えてきたのかわからないけど
長年連れ添った身体の一部が
無くなってしまったのです私

さよならを言う間もなかったです

自転車の後輪もパンクしてしまい
今日一日であらゆるところに空いた穴を
ボー然としながらも感じ取って

いや、穴って言うけど
もともと穴はあって
周りを無理矢理わたしがつくったのではないですか?
とか訳の分からない自問自答をしてやり過ごしていました。

まだ麻酔が効いており
私の左顎だけ、ただの肉になっていて
触ると、他人の頬を触っているような風で

ひたひたと明らかに昔とは違う顔の肌を
何度も何度も確かめました

左顎に関して
今は、手から伝わる情報しか
頼れるものはありませんでした

次第に自分が何者なのかが
よくわからなくなってくるのでした

小さく震えたまま
自転車屋さんにパンク修理をお願いし
健康的に見えるファーストフード店に入り
昼食をとります

ストローで烏龍茶を吸うと
舌の左側のどこかはわずかに冷たさを感じ取っているのに
まったく味がせず
スッポリそこだけ無いみたいになっている

あるのに、無い

ハンバーガーを食べても
私の口の左側は、
食べ物なのか、舌なのかの区別がつかず
時々、舌を思い切り噛んでしまっているようです

噛んでも全く痛くないのです

生きてるっちゅうのは
色々感じる事なのだね

痛みも、心地よさも…

ハンバーガーは私の喉をやっと通りぬけると
お腹の中に沈んでいくのでした

そうこうしているうちに
麻酔は切れてきて
自転車も治って

痛みを感じながら
自転車に揺られていますと

「生きてたのね」と
私の中の誰かが言いました

生きてるっつうの
誰だお前は

自転車をこいで、こいでこいでこぎまくって
私は何故かここで生きているのでした

海沿いを走っていると
風が私の帽子を飛ばして行きました

自転車でどこにでも行けそうです
ハルジオンが小さな目玉焼きのように見えた
そんな昨日の午後の話
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